2020 年 76 巻 1 号 p. 1-8
本論文では,水理学系のエンジニアリング・デザイン教育のために,水力船による航走試験の演習教材の開発を行った.安価で手に入りやすい材料を用い,学生が手軽に手作りできる教材として提案できるもので,水理学の系統的な知識を用いて水力船の移動速度の時間変化を予測することが可能である上,実走試験結果とも良好な一致を示す.ものづくり教材として,諸元を勘案しつつ繰り返し改良を施せることも利点の一つとして挙げられる.一つの条件を変更することが他の諸量に影響を及ぼす演習教材であることから,「一つではない解」を探求する課題として提案することができる.