2017 年 73 巻 1 号 p. 1-10
一中規模事業体が所有する漏水事故履歴データ,全配水管の属性データ,管路の敷設替えコストデータなどから漏水事故1件当たりのコストや事故率曲線を算出し,これらを用いて供用年数の関数として管路のライフサイクルコストカーブを求めた.更に,同コストを最小にする経済的な更新時期を算出した.最適更新時期は管種VP(口径:50mm~150mm)で40年から50年,管種SP(口径:75mm~150mm)で45年から50年になり,法定耐用年数に近い結果となった.また,漏水コストなど,ばらつきを持つと考えられる複数パラメータを変化させる感度分析を実施した結果,更新時期が最大で10年程度早まる,あるいは,遅くなることがわかった