2006 年 62 巻 4 号 p. 603-608
トンネル建設における地質調査では弾性波探査と電気探査が実施されている例が多いが,これらの調査結果に基づく設計は経験的で,度々実際と異なることがある.設計,施工段階においては,断層,破砕帯等の地質構造を事前に把握することは重要である.筆者らは,トンネルを計画・設計する際に事前調査として,よく利用される弾性波探査と電気探査に着目し,弾性波速度と比抵抗値を間隙率と体積含水率に変換する解析手法の構築を試みた.ここでは,本解析手法を変換解析と称する.そして,トンネル施工における各種の施工記録や原位置の岩盤状態と,変換解析結果である間隙率,体積含水率を比較することで,変換解析の有用性を検証し,さらには,トンネルの支保設計への適用性について検討を行った.