2010 年 66 巻 2 号 p. 289-300
泥土圧シールド工法における切羽の安定性向上と施工管理の精度向上を目的として,チャンバー内の土砂の塑性流動性を計測する装置(以下,フラッパーという.)と流体解析による土砂の塑性流動状態の評価手法を組み合わせた土砂流動管理技術を開発した.本論文ではフラッパーを実工事のシールド機に取り付け,フラッパーに作用するトルクを計測するとともに,計測で得られたデータを基に,チャンバー内の土砂の流体解析を実施し,チャンバー内の土砂の塑性流動状態について考察した.その結果,フラッパーはチャンバー内の土砂の塑性流動状態を把握する上で有効であること,および流体解析を組み合わせたチャンバー内の土砂流動管理技術は泥土圧シールド工法において極めて有効であることを明らかにすることができた.