2010 年 66 巻 4 号 p. 578-592
地下河川用のトンネルでは,トンネル外側から作用する地下水圧に比べて,トンネル内側からの内水圧のほうが大きくなる場合がある.このようなトンネルを,RCセグメントを用いたシールド工法で構築する場合には,その水密性が課題となる.本研究はRCセグメントの水密性に関して引張試験および曲げ試験を行い,現行のひび割れ幅計算式の適用性の検討とともに,円柱供試体による加圧漏水試験を行い,貫通ひび割れが発生する場合について水密性が確保できるひび割れ幅を検討したものである.結果として,RCセグメントではひび割れ幅の計算式中の最大ひび割れ間隔を組立用鉄筋間隔としてよいこと,0.1mm程度の貫通ひび割れであれば自癒効果などによって長期的(概ね60日程度)には止水でき水密性が得られることが確認された.