2010 年 66 巻 4 号 p. 211-221
本報告では,地下10m程度にある地下水を備蓄保存して,循環させる「地中熱地下備蓄タンク方式パイプヒーティングシステム」の設計・施工に関する基礎的データを示す.本システムの供用による路面状況変化および融雪効果について示すとともに,熱源となるタンク内の水温の変化について報告する.本報では3年以上におよぶ実際の国道における運用データを基に,気温・路面温度・タンク内水温・岩盤温度の変化をまとめた.さらに,路面温度がタンク内水温より高い時に強制的に稼働させる(強制運転)ことで,冬期においても短時間でタンク内水温を上昇させることができた.