2011 年 67 巻 4 号 p. 532-543
締固めた細粒分質礫質砂の変形・強度特性に及ぼす締固め時の含水比および締固め方法の影響を圧密非排水三軸圧縮試験とベンダーエレメント試験を実施して検討した.最適含水比よりやや乾燥側で締固めた供試体では,圧縮性が小さく,非排水せん断時の偏差応力が大きい結果となった.締固め方法の影響は,圧縮性が静的よりも動的に締固めた供試体の方が小さく,偏差応力は静的供試体の方が大きくなった.これらの圧密非排水三軸圧縮試験の結果は,ベンダーエレメント試験より得られた土構造の配向性を反映する弾性係数の異方性と強い相関があった.このことから,締固め時の密度や含水比,締固め方法によって生じる変形・強度特性の違いは,締固めに必要とされるエネルギーや締固めによって生じる土構造の変化と密接な関係にあることが示唆された.