2012 年 68 巻 1 号 p. 127-137
振動場における粒状材料の振動挙動とそれに与える振動条件や地盤条件の影響を解明する研究の一環として,室内振動実験を行った.実験では,粒子の接触状況を電気伝導を利用して測定する手法を採用した.この手法は,導電性を有する粒状体で供試体を作成し,これに振動を加えた際の供試体中の電気抵抗の変化を計測する手法である.粒子間の接触状況に応じて供試体の電気抵抗が変化するため,振動場における粒状体の挙動を把握することができる.実験結果を振動加速度,粒径の違いによって比較したところ,加速度が一定であれば振動数を変化させるより振幅を変化させるほうが,粒子のかみ合わせが外れ,粒子の相互移動が起こり易いということがわかった.また,粒子のかみ合わせの外れ易さは,粒子の粒径と振幅の比に依存することが明らかになった.