2012 年 68 巻 1 号 p. 175-182
2011年3月11日,東北地方太平洋沖を震源とするモーメントマグニチュード(Mw)9.0のプレート境界地震が発生し,広範囲の地域で地盤液状化を引き起こした.本研究では,東京湾臨海域の地盤液状化に着目し,衛星リモートセンシング技術の1つである差分干渉SAR解析を用いて,液状化に伴う地盤沈下量と沈下の空間的広がりを調べることを試みた.この解析手法は,衛星によって地表変動を広域かつ高密度に測定できるのが特徴である.本研究で得られた結果と噴砂分布の現地調査の結果は整合的であることから,液状化調査のツールとして差分干渉SAR解析が有効であると分かった.