2012 年 68 巻 2 号 p. 224-238
東京国際空港(羽田空港)D滑走路は,埋立部と桟橋部からなるハイブリッド構造であり,埋立/桟橋接続部には鋼管矢板井筒基礎を用いた抗土圧護岸を築造する.本滑走路には,100年間の設計供用期間が要求されており,埋立部の高盛土によって発生する長期的な接続部護岸の水平変位を精度よく予測する必要があった.そのため,井筒護岸の設計では,関口・太田による弾粘塑性構成モデルの降伏曲面形状を修正カムクレイ型に変更した構成モデルによる土・水連成弾粘塑性FEM解析を行い,地盤の長期的な力学挙動を評価した上で接続部護岸の水平変位を予測した.本論文ではまず,採用した構成モデルの概要とその検証を目的として実施した遠心模型実験結果について述べ,その後,FEMによる鋼管矢板井筒護岸の長期挙動解析結果について報告する.