土木学会論文集C(地圏工学)
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和文論文
風化サンゴ骨格の破壊強度とその性状:微細孔と孔内液圧の影響
松原 仁原 久夫
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2012 年 68 巻 4 号 p. 610-620

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抄録

 サンゴ骨格の微細構造を形成する孔が一軸圧縮強さやその破壊性状に及ぼす影響について,乾燥供試体および水飽和供試体を用いた一軸圧縮試験および圧裂試験をもとに考察した.室内実験にて得られたサンゴ骨格の特徴的な破壊挙動(乾燥供試体と水飽和供試体の強度に顕著な差は見られない,というもの)は,Griffith理論に浸漬液体の表面自由エネルギーを導入した従来の考えのみでは説明できない.そこで本研究では,サンゴ骨格の孔内における液圧と孔径の影響を考慮することで理論的な説明が可能であることを示した.また,サンゴ骨格における破壊性状に関しては,サンゴ骨格が有する構造の多孔性が破壊を局所化させ,さらには一軸圧縮強さに対する寸法効果を抑制する可能性があることを実験的に見出した.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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