抄録
放射性廃棄物処分における人工バリア要素である緩衝材は長期に亘って廃棄体周辺に健全な状態で存在することが必要である.そのため緩衝材の候補材料であるベントナイトの廃棄体支持性能の評価は重要な課題の一つとされている.緩衝材の廃棄体支持性能を評価するため余裕深度処分概念を模擬した遠心模型実験を実施し挙動予測を行なった.その結果,最も大きな変形が予測される緩衝材乾燥密度ρd=1.20Mg/m3と最も大きな廃棄体重量2,840kN/mの条件で施工を行なった場合,約55年後の廃棄体の沈下は緩衝材厚さ1mに対して8mm程度で約0.8%の軸ひずみが発生すると予測された.さらに廃棄体重量を約1.8倍にすると沈下量が4倍になるが,ベントナイトに珪砂を30%混ぜると沈下を40%抑制できることが明らかになった.