2013 年 69 巻 1 号 p. 118-125
ダム基礎岩盤における岩盤の遮水性と力学的特性の改良を目的として実施されるグラウチングについては,平成15年に技術指針が改訂されたことにより,必要最小限の数量で所要の品質を確保する設計手法が採用されている.これに対して本論文においては,(1)割れ目密度ダイアグラムを用いて最も割れ目と交差しやすい削孔方向を評価するための検討,(2)地球統計学的解析を用いて水みちの分布性状を評価するための検討を実施することにより,地質状況を考慮した注入方法で対策を講じることを目的とした品質管理支援システム(特許出願済:特願2012-92884)を開発した.