抄録
水道事業から排出される浄水汚泥を道路構成材料として有効利用する上で,これまで室内試験により浄水汚泥の工学的性質が研究されてきた.本研究では,室内CBR試験に加え,その結果を検証するために水道管埋設工事を想定した試験施工を実施した.使用した試料は,管路の埋戻し材に広く用いられる山砂,脱水方法の異なる2種類の浄水汚泥およびそれらと山砂の混合土である.試験施工では,19カ月間にわたり路面沈下量を測定し,試験施工の解体時に現場密度試験を行った.その結果,各浄水汚泥単体および山砂との混合土は,山砂と遜色ない要求性能を示すことが実証された.そして,室内試験および試験施工の実験事実から,室内CBR試験に基づく浄水汚泥を路床材料として用いるための品質管理フローを示した.