土木学会論文集C(地圏工学)
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和文報告
飽和・不飽和二戸しらすの液状化強度および変形特性試験
清原 雄康
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2016 年 72 巻 3 号 p. 196-203

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抄録

 東北地方太平洋沖地震において,飽和度が高い状況下でしらすからなる宅地盛土が泥流状に崩壊した.このメカニズム解明のために,当該箇所から採取した試料土を相対密度Dr: 60%~65%に再構成し,飽和状態と不飽和状態において,それぞれ100kPaで圧密後(Drc: 70%~75%),液状化強度試験,変形特性試験を実施した.この結果,飽和状態のしらすは,7号硅砂(Dr: 60%)より液状化強度が小さくなった.また不飽和状態でも飽和度,過剰間隙水圧比が上昇し液状化に至ることが確認された.この液状化強度比は0.22となり,飽和状態に比べ1.5倍程度増加した.しかし,この場合でも被災時の加速度,地盤挙動を想定したFL値は1を大きく下回った.Dr: 65%程度の飽和土,不飽和土の変形特性試験から求まった初期等価ヤング率はいずれも90MN/m2であった.

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