土木学会論文集C(地圏工学)
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和文論文
脱水固化処理して作製した浚渫土砂ブロックの長期強度特性と海洋環境適応性
笠間 清伸堂本 佳世平澤 充成善 功企古川 全太郎
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2017 年 73 巻 2 号 p. 186-194

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抄録

 本論文では,固化材等を添加し機械脱水(以下,脱水固化処理とよぶ)して作製した浚渫土砂ブロックを対象に,実海域における暴露試験と動植物の生息状況調査を行い,長期強度の評価および海洋環境への適応性を評価した.得られた主な結果を以下に示す.(1)脱水固化処理により,10MPa以上の一軸圧縮強さを有する浚渫土砂ブロックが作製できる.(2)ブロックの一軸圧縮強さは,材料密度や固化材添加率によらず,水セメント重量比による強度評価が簡便であり有効である.(3)設置から41ヶ月の間,気中,乾湿(潮の干満帯)および海中に暴露しても,一軸圧縮強さが低下することなく十分な耐久性を有する.(4)乾湿および海中暴露したブロックに生息する動植物の被覆率や出現種数は,比較対照としたコンクリート壁面とほぼ同様であり海洋環境への適応性がある.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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