土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
和文論文
斜面掘削中の動態モニタリングによる退避判定の検討
平岡 伸隆吉川 直孝伊藤 和也笹原 克夫
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 73 巻 4 号 p. 355-367

詳細
抄録

 土砂崩壊・落盤による労働災害の死亡者のうち斜面掘削工事中の斜面崩壊による死亡者が約半数を占め,労働安全行政における重要なテーマである.本研究では,実大規模の模型実験を実施し,掘削工事における斜面の変状をモニタリングすることで,崩壊の前兆を捉えることが可能か検証した.その結果,機械掘削中に発生する崩壊と,掘削後クリープ現象を伴った崩壊が確認され,後者について地表面変位の計測結果から変位の逆速度を算出し,既計測結果の予測線から退避判定をリアルタイムで実施したところ,崩壊7分前での警報発出が可能である結果が得られた.また本手法を伸縮計,ひずみ計,傾斜計に適用したところ,同様に崩壊7分前に警報を発出可能であり,クリープ変形を伴った崩壊であれば,種々の計測機器で退避判定が可能であることが示唆された.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top