2017 年 73 巻 4 号 p. I_1219-I_1224
京橋川の河岸に堆積したヘドロの浄化と生態系の再生を目的とした石炭灰造粒物層による底質改善効果の実証が2011年から行なわれている.本論文では河岸干潟に構築した石炭灰造粒物層に継続的に沈降・堆積する有機泥の浄化効果を明らかにした.構築初期の浄化機能として実証された(1)冠水中の造粒物層内で酸素の保持,(2)堆積泥の掃流,(3)堆積泥内での還元状態の抑制等の効果が3年間継続して発現されていることが明らかにされた.これらの効用は洪水により急速に堆積した有機泥の減量と性状変化に現れており,造粒物の掃流効果を確認することができた.