土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第62巻
大型実験に基づくポーラスコンクリート舗装の雨水浸透過程および流出抑制効果の評価
原田 守博畑中 重光三島 直生飯尾 尚平
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_967-I_972

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抄録

 都市流域における豪雨時の雨水流出抑制方策の一つとして,ポーラスコンクリート(POC)舗装がある.POCは連続した粗大空隙を内包することから高い透水性をもち,豪雨でさえも浸透吸収できるものの,一方で水平方向の排水能力も大きい.したがって,舗装内に浸透した水は速やかに流出し,河川への雨水流出抑制対策としては十分に機能しないことが危惧される.本研究では,室内実験によってPOCの非線形透水法則を明らかにするとともに,屋外に設けられた大型POC槽に人工降雨装置を設置して雨水の浸透・流出実験を実施した.さらに,非線形透水法則を考慮した水理解析によって実験結果を検証し,POC舗装を広域に敷設した場合の雨水流出抑制効果を試算した.その結果,POC舗装は雨水排除効果をもつだけでなく,不透水舗装よりも雨水流出量を遅延かつ低減させる一定の能力をもつことが明らかとなった.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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