2019 年 75 巻 2 号 p. I_1069-I_1074
気候変動の影響により日本域の洪水リスクが将来どのように変化するか,気候モデルの大規模アンサンブル実験結果と河川氾濫モデルを使用して推定した.この手法は河川流下,氾濫過程において物理的な計算に基づき,複数の海面水温変化パターンを考慮しながら,ノンパラメトリックに河川流量の確率分布の変化を評価することができる.結果として,日本の多くの地域で現在の100年確率年最大日流量が頻発化することが示され,洪水曝露人口の将来変化を人口変動も考慮しながら推定することができた.同時に,大量の気候モデル実験結果を使って洪水を評価する際に流出量に着目することの可能性,日本全域というスケールで水文シミュレーションを行う際に伴う課題が明らかになった.