2019 年 75 巻 2 号 p. I_355-I_360
インドネシア国リアウ州の泥炭島を対象として,再湿地化によるCO2放出量および火災リスクの低減効果を定量評価した.観測した水文気象データとCO2放出速度の相関分析により,熱帯泥炭湿地における土壌からのCO2放出速度は,気温や地温の上昇によって促進され,地下水位や土壌水分量の増加によって抑制されることが示された.地下水位-CO2放出量推定モデルを適用した結果,地下水位計算値のNash係数が0.5以上となり実測値を概ね再現した.短期連続観測によるCO2放出速度の実測値と計算値の推定誤差はRMSEで2.5(tCha-1 year-1),相対誤差率は19%であった.モデルを用いて,再湿地化によるCO2放出量および不飽和層の削減率を計算した結果,乾季の排水路水位を100cm堰上げすることにより 17.2%のCO2削減効果が得られ,火災リスクの指標となる不飽和層厚さは46.4%削減される結果が得られた.