土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第66巻
都市河川の落差工に設置した簡易的な水路式魚道の機能検証と課題の整理
椎名 慧佐藤 大誠青木 宗之
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_1411-I_1416

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抄録

 本研究は,埼玉県和光市の都市河川である越戸川の日の出橋落差工に,簡易的に水路式魚道を設置し,その機能検証を行うために現地実験を行った.実験には,体長4.0cm~5.8cmの稚アユを100尾ほど使用した.その結果,15分間という短い実験時間にも関わらず,平均して8%の稚アユが遡上に成功,24%の稚アユが魚道下流入口より上流に遡上しており,著者らが設置した簡易魚道が機能したことを確認した.より時間が経過すれば,遡上に成功する稚アユの総数も増加すると推測できる.また,50%の確率で稚アユが魚道下流入口方向へ遊泳しており,ある程度の集魚状況であった.より集魚するために,別途呼び水を設けることは諸条件的には厳しいと考えられる.そこで,現場に適した迷入防止策等を設けることで,集魚の期待が向上できる.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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