本研究は,帝都復興事業における執行体制の変遷過程を組織および職員の観点から明らかにするとともに,復興事業に関わった技術者の特徴を考察することを目的としたものである.『帝都復興事業誌』,『職員録』,国立公文書館所蔵の帝都復興事業に関する公文書等を整理・分析した結果,1) 進捗に合わせた所掌事務の見直し・行政整理により組織再編が行われていたこと,2) 復興局および復興事務局の官吏職員は1,366人おり,うち技術職員は864人(うち技監1人,技師163人,技手700人)いたこと,3) 中央は内務省・鉄道省から,地方は44庁府県9市から技術者が集められていたこと(特に耕地整理実務者),等が明らかとなった.