2011 年 67 巻 3 号 p. 359-366
太陽光の反射を観測する光学画像には必ず「影」となる領域ができる.リモートセンシング画像解析を行う際,日影の部分での地表情報が得られなかったり,日影の変化が誤差として抽出されたりすることが多くある.そのため,日影部分の輝度値を日向と同じレベルになるように補正し,影のない画像を作成することは,光学画像をより有効に活用することに繋がる.本研究では.光学画像から日影部分を抽出し,その輝度値を補正する手法を提案した.まず,画像からオブジェクトベースの分類手法により,輝度値と近隣関係をもとに影となる部分を抽出した.そして,影の特性を分析し,影の濃さが日影と日向の明度比に影響することから,濃さを考慮した3段階補正式を提案した.抽出された日影部分を,提案された補正式により補正し,影なし画像を作成した.