2011 年 67 巻 4 号 p. 475-494
本研究は,我が国をはじめとする各国の港湾施策のインパクトを計測することを目的に,国際海上コンテナ輸送市場における,外航コンテナ輸送船社による大規模ネットワーク上の輸送コスト最小化問題を扱う.具体的には,最近の施策の焦点となっている,船舶の大型化に対応するための大水深バースの整備や,貨物が集中することによる港湾費用の低減および過度の集中による混雑を考慮した,外航船社の寄港地および輸送船舶サイズの決定モデルを構築するものである.
構築したモデルを,東アジア地域を中心とした大規模国際海上コンテナ輸送ネットワークに適用し,モデルの振る舞いが概ね妥当であり,また規模の経済・不経済に関連する感度分析の結果も概ね良好であることを確認した.