2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_209-67_I_219
住民参加におけるワークショップ等の討議では,利害関係の違いや認識の齟齬によって,コミュニケーション上の対立が存在する.発言者の発言から討議過程を可視化し,討議の構造を把握することは,合意形成ノウハウの共有化に有効である.本研究では,委員会の発言録に記録された各討議参加者の発言に対してテキストマイニング手法を用い,討議参加者の意見を抽出し,討議内容を把握した.さらに,マルコフモデルに基づいて,意見推移,発言者推移を定量的に把握し,その討議過程の可視化を行った.この結果,討議における意見の特異点,発言者の特異点が可視化され,討議の構造が明らかとなった.