2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_299-67_I_306
本稿では,常住人口に対する集客施設の延床面積という指標を用いて,地方都市圏における大規模商業施設の立地実態と,都道府県が策定した広域調整に関するガイドラインの実態を研究している.その結果,小規模な商業施設は減少しているが,大規模および中規模の商業施設は増加しており,地方中心都市の外側に立地する傾向がみられることを明らかにしている.この傾向により,中心市の中心性が衰退する恐れがある.また,各県のガイドラインより,広域調整の方法には事前調整型,事後調整型があることを明らかにしている.事前調整型はゾーニングにより事前に立地誘導を行う方法であり,11の県で採用されている.その他の県では事後調整型が採用されていることを示している.