2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_369-67_I_377
本研究では,一定以上の人口を有する全国163都市を対象とし,1975年~2005年までの4時点のデータを用いて,DID人口密度と乗用車保有率の経年的な変化を把握し,それらがどのように関連しているのかを分析した.その結果,1975年~1985年では,DID人口密度の高低やその変化の大小に関わらず乗用車保有率が増加しており,各都市間において乗用車保有率増加量に有意な差はみられなかった.一方,1995年~2005年では,DID人口密度が高いほど乗用車保有率増加量が有意に小さく,またDID人口密度があまり変化していない,あるいは高密化している都市の方が低密化している都市に比べ,乗用車保有率増加量が有意に小さいことを明らかにした.