2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_379-67_I_387
本研究では,実際の都市地域計画や住宅地開発の実情を踏まえ,町丁目スケールで,都市内小地域の開発状況についても考慮し,都市構造・地域特性と交通環境負荷との関連性を明らかにするために,全国61都市1,784の都市内小地域を対象に,詳細な地区特性に関するデータベースを構築した.そして,都市における空間的な配置状況だけでなく,開発時期に着目し,この両側面から交通環境負荷との関連性を分析した.
その結果,小地域と商業拠点や鉄道駅などとの位置関係が類似していても,新たに開発された小地域と比べ,古くに開発された小地域は交通環境負荷が小さいことを明らかにした.以上より,都市のコンパクト化を図る上で開発時期も交通環境負荷の重要な要因であることを明らかにした.