抄録
都市高速道路での突発事象の発生は,道路利用者に対して旅行時間の著しくかつ突発的な増大を引き起こすため,影響をできるだけ小さくするための交通運用施策が求められている.本研究では,プローブパーソン調査とWeb上のアンケートシステムを統合し,道路利用者の日常の高速道路利用区間で,突発事象を想定した行動データを得るための調査を実施した.突発事象時のランプ選択行動のモデル化を行い,調査によって得られたデータから,突発事象による渋滞情報の内容と高速道路利用の関係を分析した.その結果,渋滞距離の情報を提供した場合には,利用者は20km/h以下でその区間を通過することを想定していることがわかり,この速度が実勢より過大又は過小の場合には,何らかの施策を行う必要性があることが示された.