2013 年 69 巻 5 号 p. I_423-I_431
本研究では,自動車依存度の高い地方都市では,自動車利用が必須となっており,その結果,カーシェアリングサービスの利便性を過小に評価している可能性があるとの認識に立ち,自動車利用や保有にかかる費用の知覚値や普段の利用状況,カーシェアリングサービスの認知度や利用意向等を尋ねるインタビュー調査を実施し分析を行った.その結果,自動車利用や保有にかかる費用について考えたことがない人が大半を占める一方で,むしろ費用を過大に評価している被験者が多く,そのような人はカーシェアリングの利用意向が相対的に高いとの結果を得た.また,カーシェアリングのサービスとしては,いつでも利用できるとは限らない不安価値を減じるようなサービスが重要である等の知見を得た.