土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第31巻(特集)
シナリオを用いた発言把握の方法とその適用領域に関する研究
山田 菊子
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2014 年 70 巻 5 号 p. I_255-I_265

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抄録

計画の策定段階において,有識者や市民の発言を参照するこころみは数多くあるが,発言の取扱いには確たる方法はない.本研究ではその原因が作成された要約が計画の主体や時期を反映していないために生じると仮定し,人間中心設計で用いられるシナリオを援用して課題に対処する方法を提案する.計画の対象である「時期」と「ステークホルダー」の組み合わせごとにシナリオとして記述し,さらにこのシナリオから考慮すべき特性を抽出する.
事例研究では2つの発言録を分析し,土木学会の中長期計画策定者へ結果の提供を行った.その結果,シナリオは原記録よりも理解が容易であり,また一般的な要約に比べて情報を失わない点で計画策定に貢献することを把握した.さらに,出現する語の頻度を分析し,シナリオと原記録との対応を確認した.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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