2014 年 70 巻 5 号 p. I_45-I_54
社会資本は,今後急速に老朽化することが見込まれ,効率的な維持管理が求められている.社会資本の中でも,道路橋に関しては,その多くを市町村が管理しているが,国や都道府県と比較し,十分な予算や技術者が確保できないという課題を抱えている.このような中で市町村が管理する高速道路上の横断構造物をどのように維持管理を実施するかという課題が挙げられる.そこで,本研究では市町村を対象に,現在公表されている「橋梁の長寿命化修繕計画」の内容分析を行うとともに,国土交通省が実施した「橋梁の長寿命化施策に関するアンケート調査」の結果および関係各位へのインタビュー調査の内容も踏まえ,橋梁と高速道路上の横断構造物に関する維持管理の特徴と問題点を整理し,今後の維持管理体制について考察する.