抄録
目覚ましい情報通信技術の発展によって交通分野におけるデータに対する関わり方が変りつつある.近年では,継続的・長期的に収集された大量の交通に関わるデータの蓄積が実際にみられるようになってきている.一方,これまでの交通分野では,空間的に広い範囲のデータを時間的に高密度でかつ長期的に収集することは困難であったことから,変動に対する理論的なフレームは必ずしも十分でなかったと推察される.本稿は,これまでの交通分野での研究について,データ取得と蓄積という視点から整理し,新たな枠組みであるデータオリエンテッドな交通研究に焦点をあて,蓄積データを背景とした交通変動の分析に関する展望についてまとめるものである.