2015 年 71 巻 5 号 p. I_407-I_414
日本の課題の一つとして,今後生ずるであろう高齢人口の増加や生産年齢人口の減少を見据え,救急車の救急搬送業務の効率化を図るため,中長期的な視野の下,提供する適切なサービスレベルについて検討することが極めて重要である.
本稿では,救急救命搬送サービスの効率的運用に向けて,救急搬送需要予測モデルを提案する.次に,松山市を対象に,救急搬送需要予測モデルの適合度を検証する.更に人口当たりの搬送件数は,75歳以上の年齢層は他の年齢層に比べて非常に高いこと,季節や曜日,時間帯によって需要は異なる等の知見を報告する.