土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第32巻(特集)
合流ネットワークでのボトルネック通行権取引制度導入時のパレート改善
坂井 勝哉日下部 貴彦朝倉 康夫
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 71 巻 5 号 p. I_415-I_424

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抄録

ボトルネック通行権取引制度は,ネットワーク形状によらず社会費用を最小化できるが,複数ボトルネックの場合には必ずしもパレート改善しないことが知られている.本研究の目的は,合流部に通行権取引制度を導入し,パレート改善を達成する方法を示すことである.そこでまず,V字形ネットワークを対象に通勤交通のモデルを定式化し,通行権取引を単に導入するだけでは必ずしもパレート改善しないことを示し,通行権購入価格が制度導入前の渋滞待ち時間による費用よりも高くなる利用者がいることが原因であることを明らかにした.次に,パレート改善達成のための通行権導入施策を3種類提案し,パレート改善できることを示した.また,通行権収入を使ってボトルネック容量を増強すれば,パレート改善と同時に社会費用はさらに小さくなることも示した.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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