2015 年 71 巻 5 号 p. I_533-I_545
経済のグローバル化が求められる今日においては,物流効率化に向けた適切な物流拠点の配置,機能の強化,物流ネットワークの構築が必要不可欠である.そのためには,まず貨物の動きを正確に把握することが必要であるが,我が国では,純流動データおよび総流動データを活用することで,国内貨物の動きを輸送機関別・品類品に把握することが可能である.しかしながら,我が国の貨物において重要な役割を担っている流通・配送センター等の物流拠点を経由する貨物の動きは,一般的に入手可能な貨物調査のみでは把握することができない.そこで,本稿では入手可能な既存の貨物調査から流通・配送センター等の物流拠点を経由する都市間物流モデルの構築を行い,直接運搬される貨物量に加え,物流拠点を経由して運搬される貨物量の推計を行った.