2015 年 71 巻 5 号 p. I_681-I_687
日本の大都市郊外交通空白地区では,徒歩による移動の困難な場面が存在し,高齢化に伴う外出困難者の増加といった問題に繋がっている.予約型デマンド交通等が導入されているが,利用時の予約等の気軽さの欠如が課題となっており,利用者の確保が困難となっている.
一方,東南アジア大都市には様々な運行形態で知られるパラトランジットが地域の主要な交通手段として存在し,その中でも利用者が多く,長い間地域に存在し続けているバンコクのシーローレックは,高頻度運行を代表とする独特な運行サービスにより利用者を惹きつけている.
そこで本研究では,日本の大都市郊外交通空白地区において小型車両高頻度運行実験を実施し,評価を行った.買い物後の短距離坂道移動の利用が見られ,高頻度運行が利用意向向上に寄与することが明らかになった.