2016 年 72 巻 5 号 p. I_1075-I_1083
少子化対策の一つとして,子連れであっても安全に安心して外出できる都市環境,交通環境を整備していく必要があるものと考えられる.しかしながら,最も基本的な移動手段である徒歩についてはこれまでにあまり着目されておらず,歩行環境を具体的にどう整備していくかについては検討が進んでいない.
そこで本研究では,保護者が子どもを自立的・自発的に歩かせても安心できるような歩行環境の創出が重要であるとの問題意識のもと,幼児を持つ保護者を対象にアンケート調査を実施しそのような歩行環境について検討した.特に子連れの歩き方,子の歩かせ方に着目し,保護者による子どもの歩行制限の実態の把握と,子どもを安心して歩かせられるための歩行環境の要因について検討した.