2017 年 73 巻 5 号 p. I_1033-I_1042
本研究では電車や駅構内に掲示されているマナー啓発ポスターに着目し,どのようなメッセージが「マナーを守ろう」という行動意図を活性化するのかを明らかにした.まず,掲示されているマナーポスターを観察・収集するとともにそのメッセージタイプを15に分類し,「お願い」「強い禁止」「被害の付加」「呼びかけ」「ユーモア」の5つのタイプを抽出した.その上で,これらの行動意図活性化効果を実証するため,首都圏在住者かつ電車を月1回以上利用する有職者にWEBアンケート調査を行った(n=504).その結果,「お願い」「被害の付加」のメッセージが他に比べ有意にマナー啓発効果があることが示された.また,マナーを守っていない人のマナー遵守行動意図を活性化するメッセージタイプを明らかにした.