2017 年 73 巻 5 号 p. I_1065-I_1072
高速道路において合流部と分流部が近接する織り込み区間では,車線変更する車両同士の錯綜により,交通容量が低下しボトルネックとなっている.現状の解決策としては,拡幅による車線数の増加が挙げられるが,多額の工費が必要となるなど工事を行うことは容易ではない.そこで,先行研究では自動運転を想定した車両制御により,道路の幾何構造を変更せずに区間の交通容量を拡大できる可能性を示した.本研究では自動運転の普及過程で必ず生じる,自動運転と手動運転の混在状況に着目し,そのような状況において交通容量を向上させる車両制御アルゴリズムを開発し,シミュレーションを用いることによりその有用性を評価した.その結果,自動運転と手動運転が混在する状況においても,織り込みによる容量低下を抑えられることが明らかとなった.