2017 年 73 巻 5 号 p. I_1183-I_1190
本研究は,市民が路上駐車によって被っている迷惑を手軽に報告できるシステムを構築し,迷惑駐車の実態を把握・可視化するとともに本システムの導入により見込まれる効果を検証することを目的とする.本研究では,市民が迷惑駐車情報を簡便に報告することができるスマートフォンアプリを開発し,これを用いて迷惑駐車情報を収集する実証実験を実施した.本システムによって,今まで110番通報に対する心理的抵抗によって見過ごされてきた路上駐車実態を把握できることが明らかとなった.また,迷惑駐車分布を可視化することによって,運転者の駐車行動変更を促し,迷惑駐車を抑止できる可能性があることが明らかとなった.さらに,交通事故の危険となるような路上駐車情報を把握するための手段としても活用でき,交通安全面に関しての寄与が期待できる.