2017 年 73 巻 5 号 p. I_1251-I_1258
道徳観を問われる社会問題は都市・交通分野をはじめとした土木計画分野を含め,私たちの身近で多く発生している.この問題解決に向け,非協力行動をとる人に対して協力行動をとるよう行動変容を促す必要があり,そのために「道徳意識」を変化させる必要がある.本研究は,特定の状況下におかれた人間の脳機能を計測するための装置としてfMRIを使用し,道徳意識を問われるような状況におかれた人間の脳機能を計測した.道徳意識を神経科学的な側面から分析した結果,協力行動と非協力行動を取る人では賦活部位に相違があることが示された.