2017 年 73 巻 5 号 p. I_323-I_330
高度経済成長期に一斉に建設された橋梁が耐用年数を迎え,架け替えや長寿命化の検討がなされている.このような中,自治体では5年に1度の頻度で定期点検を行うことで予防保全的な維持管理を目指している.しかし維持管理で扱う予算には限りがあるため,補修の優先度を決定する必要がある.橋梁が置かれている環境条件は異なっているため,健全度の低下速度が異なる可能性がある.既存の補修の優先度決定手法には健全度と重要度のみを考慮して環境要因が考慮されていないものが少なくない.本研究では,石川県が管理する橋梁のうち供用年数20年以上のコンクリート桁を対象とし,数量化理論I類を用いて劣化に影響を与える環境要因について分析を行った.その結果,供用年数によって劣化速度や劣化速度に影響を与える要因が異なることが分かった.