2017 年 73 巻 5 号 p. I_717-I_722
自転車事故の約7割が交差点で発生しており,信号交差点では自動車右左折時の巻き込み事故がその約6割を占めている.平成24年度の「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」では自転車直進時の左折巻き込み防止のための交差点レイアウトを示している.今後自転車通行帯整備にあたっては,直進自転車と左折車の安全性を考慮した交差点処理方法が重要と考えられる.本研究では,信号交差点における車道走行の自転車を考慮した安全施策の評価を目的としている.施策として「分離方式」「混在方式」の2パターンをとりあげ,協調型ドライビングシミュレータを用いた実験により自転車と自動車の挙動,被験者の不安感を分析した.この結果,混在方式が安全性の面で優れているが,利用者の不安感の面では課題を残していることが明らかになった.