土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第35巻(特集)
多様化するコンパクトシティ政策がもたらすクロスセクターベネフィットの可能性
越川 知紘森本 瑛士谷口 守
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 5 号 p. I_419-I_429

詳細
抄録

コンパクトシティ政策を推進するセクターの多様化が進む一方で,セクター間の波及効果を意味するクロスセクターベネフィットの実態は十分に言及されていない.その存在次第では,これまで地方自治体が主たる目的としていなかったセクターにおいても波及効果が生じている可能性がある.本研究では,地方自治体が目的とするセクターごとに代表的な評価指標を設定し,その数値を実際に計測することでセクター間の関係性を定量的に分析した.その結果,評価指標値の傾向はセクターごとに異なる一方で,地方自治体が想定していなかったセクターで高い評価結果を示す場合があった.さらに各セクター間に統計的に有意な相関性が確認されたことから,コンパクトシティ政策にクロスセクターベネフィットが存在する可能性を初めて裏付けることができた.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top