2018 年 74 巻 5 号 p. I_761-I_770
均衡問題を動学化したモデルはday-to-dayダイナミクスモデルとして多くの研究蓄積が存在するが,そのほとんどが利用者は出発時に1つの経路を確定的に選択し,一旦選択した経路を目的地まで変更をしないと仮定している.しかし,リンク途絶等により交通ネットワークが変化した後においては,利用者は移動途中で経路を決定するなど確率的な経路選択を行っていると考えられる.
そこで本研究ではhyperpathの概念を導入することにより,利用者の移動途中の確率的な経路選択を考慮したday-to-dayダイナミクスモデルを提案する.提案するモデルの定式化及び収束特性を述べるとともに,提案したモデルを仮想ネットワークに適用する.適用計算の結果,提案したモデルは日々の変動を表現でき,収束する場合はパラメータによらず同一の値に至ることを確認した.