2019 年 75 巻 5 号 p. I_201-I_212
地域に関する多様性の研究は前例が少なく,極めて多数の研究課題が存在するが,本研究では全国的な都道府県間の交流量および交流先の多様性と各地域の機能の多様性との関係に絞って,時間軸に関しても単年度に限って分析した.Shannon-Wiener関数を使って情報量相当の多様度を計算し,都道府県に関する基礎的な考察を行った後, 地域機能や交流に関する多様度を含めて重回帰分析を行って分析した.その結果,地域の就業者数は交流量と密接な関係にあるとともに交流先が多様な地域では就業者数はより多いという関係があることがわかった.また,地域の高次産業が多様であることと,交流量が多いことや交流先が多様であることとは関係がある,ということもわかった.