2019 年 75 巻 5 号 p. I_305-I_314
本研究は,三陸地方の観光訪問率の増加,および水産物輸送の新たな手段として,水上飛行機の導入を目指し,就航地に適する港の選定を行うものである.三陸地方220漁港を対象に,観光施設数やアクセス性から就航魅力度を算出することで就航候補地を抽出し,三陸地方42漁協に対して水上飛行機の導入に対するアンケート調査を行った結果,14漁協(42.4%)より「何かしらの取決めを行えば水上飛行機の離着水を許容できる」と回答があったほか,8漁協(24.2%)が「水上飛行機で水産物を運びたい」と回答し,導入に前向きな意見も見られた.さらに,各漁港の地形・水域特性の分析を行い,最終的に小石浜漁港,砂子浜漁港,野野前漁港が三陸地方における水上飛行機の就航候補地として適することがわかった.