2019 年 75 巻 5 号 p. I_407-I_417
南海トラフ地震や首都直下地震の発生が予測される中,インフラの拡張や耐震化をはじめとする国土強靭化を推進することが喫緊の課題となっている.強靭化事業の妥当性や緊急性を判断するためには,発生の予想される災害によってインフラがどの程度毀損するのか,強靭化対策によってどの程度その被害を軽減できるのかといった定量的な予測が必要となるが,そうした知見の蓄積は不十分である.本研究では,東日本大震災におけるデータに基づき,大規模地震発生時の道路リンクの破断を予測するモデルを構築した.ただし,インフラ耐震化状況等のデータが不足しており推計精度に限界がある等の課題も明らかにな った.